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トレド
今日はスペインの古都トレドへ、非常に古い儀式のミサと未公開の教会を見に行って参りました。単に古い儀式と言っても難しいと思いますが、トレドにはイスラム教徒がスペインを支配した8世紀以前に存在した、古い形式のミサが残っており、時々そのミサが催されています。

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6、7世紀の柱。まるでローマ時代を思わせる柱。

私の場合、パートナーの従妹がトレドの古いファミリーと結婚しているので、こんなチャンスをいただけたのですが、スペインでもこのモサアラベ式ミサについては知らない人が多く、知っている場合もこれはちょっとファンタジーなのではないかと言う人もいるくらい、古代ローマ時代に限りなく近い儀式です。勿論、儀式にはラテン語が多く使われ、内容もしっかりと聞くとそれぞれ意味があり、歴史や当時の人のメンタリティーを理解するのに役立ちます。一回では分からないことばかりですが、こういう儀式の研究をしている主人や専門家の従兄弟は、難しいことを話ながら二人で盛り上がっていました。

気が合うかどうか懸念していた神父様ともすっかり仲良しになれ、次回会って別のチャペルを見学する約束までして帰って来ました。

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中世スペインの典型的な壮丁を施した美しい本。宝物です。

いつも思うのですが、トレドの観光は本当に的外れなプロモーションが実施されているので、肝心なところを見逃しているような気がして仕方ありません。トレド独特の魅力が、エルグレコの方ばかりにフォーカスが当たってしまい、街自体の歴史や魅力については全く知られていないように感じます。これは私個人の意見なのですが、今日も神父様や従兄弟とこれについて話をすると、彼らも同感のようで、いつか私なりのトレドの魅力をまとめてみたいなぁとも思います。近い将来やってみたい夢のような話ですが...

未公開の教会の他、これもツーリストには一切公開されない甲冑のコレクションも見せていただきました。他にも15世紀の書籍やドキュメント、14世紀の素晴らしい衣装、刺繍など、もろもろの物を見せていただいたのですが、特に使用したことがわかる甲冑コレクションには感動しました。マドリードの王宮のものも芸術品ですが、ここではトレドの古いファミリーが使った甲冑がそのまま保存されていて、誰がいつここへ甲冑を収めたのかも書類が残っています。美術館や博物館で、いかにも清潔にしてある空間で美術品を見るよりも、私はこういうオリジナルな環境で物を見ることが大切だと益々感じています。

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昼食は甥や姪を連れてお気に入りのレストランへ。
こんな風にファミリーで素敵な一日を美術や歴史の話をしながら過ごせることは、何よりもの至福。
次回は従兄弟が所属している騎士団の重要な儀式に招待してもらいました。これも中世から変わらずに続くヨーロッパの伝統儀式。とても深いものを感じます。

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デザートの後はもう座っていられず、レストランを出たり入ったり。休暇は子連れのお客様が多くてよかった。
by angel-chiho | 2009-11-09 08:14 | Trip 旅
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