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カテゴリ:History 歴史( 4 )
フェルナンド王ゆかりの地
今年から歴史ヒストリーのセクションを設けました。
ブログを読んで下さっている皆さんは、想像がついていると思うのですが、私は歴史大好き人間。歴史から様々なインスピレーションを得ていると言っても過言でありません。心を惹かれる人物のことを知るためには、何千キロも走りますし、大体どこまでも出向いてしまいます。パートナーも同じ傾向があり、この部分は夫婦の共通点でもあります。

先日、スペイン史の中では非常にインパクトのある国王、カトリック王フェルナンド・デ・アラゴンが亡くなった建物を訪問してきました。

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優れた政治家として評価せずにはいられない王で、有名な『マキャベロ』のモデルになった人物だとも言われています。スペインを旅していると、いろいろな場で歴史上の人物ゆかりのモノやスポットを発見しますが、フェルナンド王については、生まれた町から聖霊を受けた杯、亡くなった家まで、とにかく良く記録され残されています。それほど長い間人々が憶えているような人物だったのでしょう。

小学校の歴史の授業で、歴史好きだった先生が、グラナダに残るカトリック両王の墓について熱烈に語ってくれたことを、不思議と憶えているのですが、皆さんもグラナダを訪れたら見てください。彼らの墓地は、理想化された二人の実物大の彫刻なのですが、クッションにのっている頭の重さが違うのです。イサベル女王の頭の方がずっと重くクッションが深く沈んでいるのです。意図的にされたのかどうか分かりませんが、興味深いところです。

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ここがMadrigalejoマドリガレホ。フェルナンド王には優れた占星術師がいたようで、Madrigalマドリガルと言われる場所で亡くなると予言されていたので、マドリガルという町や村には入らなかったと言われています。暖かい地域へ移動している時に、食べ過ぎで病になったようですが、この時期後継ぎ息子を授かるために、あらゆるモノを食べすぎていたのが原因と伝わっています。

写真の中心から左側の建物ではなく、右端にある納屋のような建物が彼が亡くなった建物。勇敢な軍人で華やかなイメージが強いフェルナンド王の死んだ場所としては、貧しいとしか言いようがありません。生地であるSos del Rey Catolicoソス・デル・レイ・カトリコという町は、中世の美しい町で、生まれた宮殿も残っているのですが、そことのコントラストもあり、私にはかなりインパクトがありました。

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建物の外壁に、このように石碑もあり、昔からここを通った人たちは、フェルナンド王の最後の場所を眺めて物思いに耽ったこと間違いありません。そのくらい多くのエピソードを残している魅力ある人物です。好きか嫌いかは別として...

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扉にグラナダの彫刻が飾られているところが印象に残りました。
こんな貧しいところで他界した人物が、グラナダを落城させた人物だなんて思えませんよね。ここは鶴が訪れる地域で、訪問した時は鶴が何千羽と空を舞っていました。フェルナンド王もこんな景色を何度となくこの地を訪れた時に見たのだろうなと、しみじみと感じました。

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今年最初の読書には、彼の後継ぎフワナの自伝を選びました。狂女王として人生の大半の隔離・幽閉され過ごした悲劇の女性です。父親、夫、息子と3人の男性に人生を狂わされてしまった強い女性だったことが、この本で良く分かりました。スペインの歴史もこの女性が母親イサベルのような立場に居られたら、全く違うものになっていたはず。そして、狂女王として全く評価されていないことを残念に思います。フェルナンド王の娘たちへの仕打ちは酷いの一言ですが、歴史の歯車に巻き込まれた人々のよくある不運劇なのでしょう。

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フアナの性格が伝わってくるような美しい肖像画。











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歴史好きの方には、訪れる価値のある歴史スポットのひとつです。

スペイン語の本になりますが、フアナについて知りたい方にはお勧めします。
史実が分かりやすく書かれており、この時代の複雑な人間関係を知るためにとても役立ちます。









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by angel-chiho | 2015-01-18 06:18 | History 歴史 | Comments(2)
PastranaとPrincesa de Eboli
20年ぶりにパストラーナという美しい町へ行って来ました。

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初めてここを訪れた時は、スペインルネッサンス期の歴史に興味があり、当時の優秀な建造物を見ることが目的だったことを憶えています。ここはフェリペ2世の愛人だったとも言われるAna de Mendozaアナ・デ・メンドーサ=Princesa de Eboliが幽閉されたことでも知られており、想像を巡らせるには最適な町なのです。

肖像画などを見て、あまりにも絵から出ているオーラがすごいので、惹かれてしまう歴史的人物がいると思うのですが、彼女は特にそういうタイプの人物です。スペイン絵画の世界で、ルネッサンス期のその美しさにインパクトがある女性というのは、特に数少ないように思います。何度見ても見とれてしまう不思議なパワーがある肖像画なのです。







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(画像はウィキペディアより)



こちらがその肖像画です。これだけ繊細な美しさを表現しているスペイン絵画は少ないと思います。なんとも表現できないスペインの空気に覆われた、デリケートな美の世界なのです。画家も不明なこの絵画、スペイン肖像画の中では傑作の一枚だと思います。もっと評価されてもいい一枚のひとつです。

こんな美しいミステリアスな女性が、封建時代このパストラーナの町領主であり、この立派な建物の所有者だったのです。フェリペ2世にまつわるブラックヒストリーのひとつに、ある殺人事件があるのですが、その事件に巻き込まれ、彼女は最終的にここに幽閉され亡くなります。フェリペ2世とは血縁関係にあり、宮廷でもスーパースターであった彼女が、最後にどんな日々を過ごしたのか...1ヶ月くらいこの町に滞在して、あれこれ想像したいものです。






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建物にひとつだけ以上に大きくて豪華な鉄格子が付いています。ここがアナの幽閉されていた部屋であり、フィリペ2世の命令で、この鉄格子が設置されたそうです。唯一、この鉄格子を通して世の中を見ることが許されていたのです。彼女がこの鉄格子の窓辺に立ち、誇り高く町の人々を見ていたように思えます。最後は外に出ることもなかったかもしれませんが、そんな奥にこもってしまうような性格には、私には見えない女性です。

アナは聖女テレサとの関係も深く、このパストラーナの町にカルメル会修道院も創立させています。アナと聖女テレサの関係は良くなかったようですが、このルネッサンスの宮殿の鉄格子付き窓からは、しっかりとカルメル会の修道院が見ることが出来るのです。複雑な心境だったことでしょう。







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アナの遺体は、カルメル派の修道院にはなく、パストラーナの町にあるメンドーサファミリーのパンテオンに埋葬されています。さすが名門家の墓と言える立派な教会です。アナという女性に興味がある人は、必見の場所であること間違いありません。

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パストラーナを含むこの辺りのことをLa Alcarriaラ・アルカリアと呼びますが、この地域についてノーベル賞作家のカミロ・ホセ・セラが"Viaje a la Alcarria"『ラ・アルカリアへの旅』という旅行記を残しています。1948年の作品なので、ルネッサンス期の宮殿も当時は廃墟のようになっていたそうで、内部のカラフルなタイルについてセラの語りが印象的です。20年ぶりにラ・アルカリアを訪れ、またセラの旅行記が読みたくなりました。

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by angel-chiho | 2014-05-16 08:10 | History 歴史 | Comments(0)
Guadalupe グアダルーペ Part I
時間が過ぎるのは早いもので、スペインの中でも特にお気に入りの町のひとつを、前回訪問してからあっという間に5年近くが過ぎていました。数ヶ月前のことのようですが...

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今回は、グアダルーペを巡礼で訪問する人たちと同じ順路で、旅をしてみました。修道院から4kmのところに写真の建物があります。15世紀創設だそうですが、ゴシックの素晴らしいチャペルです。昔からグアダルーペを訪れる人は、ここに到着するとひざまずいて祈りを捧げたので、Humilladeroという名がついています。

ここにはセルバンテスも、自分が牢獄に隔離されていた時に付けられていた鎖を、奉納するために来ており、そのストーリーを聞いてからずっとここをしっかりと訪れてみたかったのです。何のストーリーも知らないと、ただ通り過ぎてしまいそうな場所ですが、歴史的に有名な人々も、グアダルーペ訪問の際は、ここをお参りし必ずひざまずいていたのです。

数年前に修復工事で、建物の外壁がセメントでかなり塗られてしまいました。保護はされたと思いますが、建物の趣は台無しにされてしまったことだけが残念です。




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グアダルーペの町は、山間部の非常にアクセスが難しい場所にあるので、このように中世からの美しさを、そのままの姿で残しています。このパノラマを見るだけでも、大変特別な場所であることは理解していただけると思います。

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正面玄関は、ゴシックスタイルとスペイン独特のムデハル様式が、複雑に交じり合っています。これがスペイン美術の最大の魅力だと思いますが、アラビア文化とキリスト教文化がこれほど見事に、それぞれが主張しあって共存しているところは他にないと思います。

この噴水も興味深いストーリーが残っています。柱の部分は普通の噴水と変わりませんが、この噴水には洗礼儀式に使われる泉Pila=石桶のようなものが乗っています。いつどういう事情で、修道院の中から外へ出されたのかは知りませんが、実はこのPilaで、コロンブスが連れてきた南米からのインディアンは、洗礼を受けているのです。このストーリーは有名な話で、多くの人が知っている事実だと思いますが、まさかその時のPilaが、屋外に設置されていることは、あまり知られていません。町の老人達は、いい加減に教会の中で保存して欲しいと心配していましたが、子供たちは水遊びに夢中でした。






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修道院の最も重要な祭壇がこちら。
イサベル女王の兄エンリケ4世が母親と共に埋葬されています。この王に関係する建造物は、どこも素晴らしいので、歴史的には高い評価をされない王ですが、私は個人的にとても関心があります。

今回は墓をしっかり見学したのですが、立派な芸術品でやはり感動しました。修道院内には、刺繍の展示がされており、貴重なコレクションが存在しますが、その中にエンリケ4世が埋葬された時に使われていたビロードも展示されています。モスグリーンの美しいビロードなのですが、学芸員の人は説明してくれないので、それぞろのショーケースを注意深く見るように。










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これが修道院の中庭。
アラビアなのかヨーロッパなのか、複雑な錯覚を起こすような空間ですが、スペインで最も優れたムデハル様式の宝物です。ガイドさん同行でしか見学できないので、ゆっくりと見学する時間がありません。そのため何年かに一度は、また訪問してこの素晴らしさを鑑賞したくなるのです。

写真撮影が内部では許されていないので、映像がありませんが、スペインに存在する多くの教会の中でも、最高傑作といわれるSacristia=聖器室があります。バロック様式の豪華絢爛なサロンで、エクストレマドゥーラが誇るスルバランZurbaranの傑作が10展もあります。

こちらもゆっくりと鑑賞できないのですが、ただただ感動のため息が出る空間です。これは一回や2回の訪問では吸収できるものではないので、また数年後に行く必要があること間違いなしです。



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修道院の中にも宿泊施設がありますが、最近パラドールを応援するために頻繁に宿泊するようにしています。パラドールのトップは、政治家が勤めることが多いので、それが原因で経営困難になったのかどうかは定かではありませんが、現在非常に多くの問題を抱えています。観光大国であるスペインが、パラドールのような企業をしっかりと守っていけないことは、大問題だと思います。これについては、もっと多くの人が真剣にアクションを起こすべきだと思います。 

グアダムールについては、もっとその周辺のことなども含め多くの発見があったので、パートIIでお伝えします。

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by angel-chiho | 2014-02-23 08:36 | History 歴史 | Comments(0)
ヨーロッパ最古のオルガン
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前回に続いてサラマンカの話になりますが、二十数年ぶりでカテドラルもゆっくりと訪問したので、ヨーロッパ最古のオルガンもじっくりと見学出来ました。

スペインが世界一のオルガンの宝庫であることは、以前も書いたような気がするのですが、カスティーリャ地方を旅していると、本当にその膨大な数には目を見張るものがあります。どんな小さいな村や町へ行っても、教会が破壊されたような歴史を持っていなければ、美しいオルガンが残っています。

私は古楽器ファンなので、以前ルネッサンス期の音楽の仕事に関わった時、オルガンについては専門家にかなり教えていただきました。このような15世紀のオルガンは、極めて数が少ないのですが、スペイン各地に幾つかまだ残っています。家具としての価値も見逃せないのですが、ムデハル様式という、スペインで花開いたアラビア文化の影響が強く表れています。


いつか生の演奏も聴いてみたいものです。このオルガン、Anaya家のチャペルに残っており、カテドラルの古い方を見学すれば見ることが可能です。確か、このオルガンの修復費用は、美智子妃殿下の援助があったと聞いています。妃殿下もサラマンカを訪問した際、このオルガンを見て、きっと音色が聴きたくなったのではないでしょうか。日本人として誇りを感じられる文化に貢献する行為ですね。

日本から語学の勉強などでも、サラマンカは訪問する人が多いはず。必ず訪問して、500年以上も古い楽器が残っている奇跡を体験してもらいたいと思います。

サラマンカには、まだまだ興味深い楽器があるので、それについてはまた次回。

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by angel-chiho | 2013-08-17 06:51 | History 歴史 | Comments(0)





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