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ヨーロッパ最古のオルガン
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前回に続いてサラマンカの話になりますが、二十数年ぶりでカテドラルもゆっくりと訪問したので、ヨーロッパ最古のオルガンもじっくりと見学出来ました。

スペインが世界一のオルガンの宝庫であることは、以前も書いたような気がするのですが、カスティーリャ地方を旅していると、本当にその膨大な数には目を見張るものがあります。どんな小さいな村や町へ行っても、教会が破壊されたような歴史を持っていなければ、美しいオルガンが残っています。

私は古楽器ファンなので、以前ルネッサンス期の音楽の仕事に関わった時、オルガンについては専門家にかなり教えていただきました。このような15世紀のオルガンは、極めて数が少ないのですが、スペイン各地に幾つかまだ残っています。家具としての価値も見逃せないのですが、ムデハル様式という、スペインで花開いたアラビア文化の影響が強く表れています。


いつか生の演奏も聴いてみたいものです。このオルガン、Anaya家のチャペルに残っており、カテドラルの古い方を見学すれば見ることが可能です。確か、このオルガンの修復費用は、美智子妃殿下の援助があったと聞いています。妃殿下もサラマンカを訪問した際、このオルガンを見て、きっと音色が聴きたくなったのではないでしょうか。日本人として誇りを感じられる文化に貢献する行為ですね。

日本から語学の勉強などでも、サラマンカは訪問する人が多いはず。必ず訪問して、500年以上も古い楽器が残っている奇跡を体験してもらいたいと思います。

サラマンカには、まだまだ興味深い楽器があるので、それについてはまた次回。

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by angel-chiho | 2013-08-17 06:51 | History 歴史 | Comments(0)
VillalarからSalamancaへ

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スペイン史の中心的存在であったカスティーリャ地方に滞在していると、何かと歴史上のエピソードに巡り会います。先日ちょっとコースを代えて道を選んだら、Villalarヴィヤラールという有名な戦いのあった町に辿り着きました。ここは16世紀、ベルギーから来た新王カルロス5世に不満を持ち、反乱を起こしたロス・コムネロスと呼ばれるカスティーリャの名門騎士3人が、最後の戦いに負け処刑された場所。歴史好きにとっては、最高に物思いにふける事が出来るところです。


江戸時代の日本に、外国から天皇家の血縁者が来たとしたら、それはそれできっと大事件だったはず。スペインの場合、正統な王家の血筋が耐えてしまい外国に嫁に行っていた王女が、女王として戻ることになったくらいですから、それだけでも問題大ありなことは想像してもらえると思いますが、そこにスペイン語さえも当初話せなかった王女の息子が王としてやって来たら、地元の人々には耐えられないことが多々あった事でしょう。


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そんなことを思いながら、次の日サラマンカへ行ったのですが、そこでもコムネロスに関する興味深い発見がありました。(写真はウィキペディアより、コムネロスを描いた19世紀の絵画)

スペインは日本ほど歴史マニアはいないように思います。16世紀コムネロスのように、王家存続を危うくさせるような暴動を起し、見せしめのために処刑されてしまった名門騎士が、日本の歴史上にいたとしたら、ドラマ化されすごいファンがいること間違いなしなのですが、スペインではほぼ忘れられています。


私は特にこういう悲劇のヒーローに惹かれてしまうので、サラマンカでの発見は感動ものでした。

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運良くカテドラル・ヴィエハ(古)とヌエバ(新)が、サラマンカの町では共存していますが、ヴィエハの方の中庭を囲むように存在するチャペルのひとつに、処刑された騎士の一人Maldonadoマルドナード家のチャペルが存在し、そこに反逆者マルドナードも埋葬されているのです。それだけならば驚きくらいなのですが、このコムネロスの反乱にまつわる者や建物までもが破壊されてしまったために、彼らゆかりの物は残っていないのです。

ところが、このチャペル内にマルドナードがヴィヤラールの戦いで使った旗も、遺体と共に残っていたのです。勿論、布なので、かなりダメージは受けていますが、私が知るこのような戦場で使われた旗の中では、状態が良い方に入ります。旗を付けていた棹のようなものは、完璧なコンディションで残っており、サンティアゴ騎士団のメンバーであったことを告げる、ホタテ貝の模様がしっかりと刻まれています。

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説明によれば、ヴィヤラールで処刑された後、彼の遺体は夜家臣の手でサラマンカに運ばれ、マルドナード家のチャペルに静かに運ばれたそうです。こういうストーリーには、どうしても泣けてしまうのですが...おまけに、彼が使った旗まで実際に目にしてしまうと余計です。

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カルロス5世は亡くなる寸前まで、この3人の騎士を処刑したことを後悔していたと聞いています。サラマンカ、セゴビア、トレドの名門騎士が反乱を起こすということは、相当な危機です。セゴビアの町の中心には、Juan Bravoホワン・ブラボの銅像が、今でも誇らしそうに立っています。トレドのPadillaパディーリャ家の屋敷跡には、屋敷を壊した跡に塩まで撒かれたと聞いていますが、今はトレド大学の建物になっています。サラマンカには、幾つかマルドナード家の建物がありますが、代表的なのが町で一番有名なルネッサンスの建物Palacio de las Conchasと呼ばれる、貝が壁面に無数についた屋敷で、今は図書館。この建物は全壊はしていませんが、塔のひとつは破壊されたそうです。

(チャペルのある祭壇もルネッサンス期の美しいものでした)

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無念のうちに亡くなった騎士のどんな思いが、あの旗には染み込んでいるのでしょうか。カスティーリャの誇りを掲げた騎士だっただけあり、今日では『カスティーリャの日』として祭日になっており、催しものが毎年開催されるのは、ヴィヤラールの町で、3人の騎士が処刑された4月23日となっています。


(写真は、マルドナード家の美しいチャペルの前で、物思いにふける私)

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by angel-chiho | 2013-08-13 05:01 | Castilla カスティーリャ | Comments(2)
この夏の読書

また本の話になりますが、夏の楽しみのひとつは読書。皆さんも夏休み用の本を選びますか?

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私はカスティーりァ地方に滞在している時は、できるだけこの地域の事を書いた本を探しています。数年前から読みたいと思っていた本が、やっと図書館で入手できたので、今楽しんでおります。よくブログでも書いているToroの町には、素晴らしい美術のコレクションがあるのですが、その中でもナンバーワンの作品がこちら。おそらくブルージュの工房の16世紀の作品。

この絵には、ハエが描かれているのですが、それがあまりに精密で、本物が絵に止まっているように見えます。ハエの他にもカエルやイモムシなど、ミステリアスなものが書かれている傑作中の傑作。私ももう何度となく観に行っていますが、見れば見るほど感動し不思議さが増す絵なのです。作品のポピュラーな呼び名もVirgen de la moscaハエのヴァージン。それくらいハエが重要な絵なのです。

そんな超有名な傑作をめぐって、教会=バチカンとアート界の裏事情を扱ったのが、この本なのですが、グラナダから始まり、マドリード、カスティーりゃ地方へと移動しながら、いつも行く場所が書かれているので、かなり楽しんで読んでおります。


もし、カスティーリャを訪れるチャンスがあったら、必ずToroのColegiataに保管されている、この作品は見学することをオススメします。必見です。ヴァージン=聖母マリアは、イサベル女王または彼女の娘たちのひとりの肖像画だという説もあります。決定的な史実はないだけに、想像が自由に広げられる作品です。


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by angel-chiho | 2013-08-05 03:19 | Castilla カスティーリャ | Comments(0)





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