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カスティーリャで古い教会散策
美術鑑賞のための教会訪問をずっと続けていますが、マニアックになればなるほどマイナーな教会や修道院訪問になるので、それぞれのオープン時間を探すこと、また鍵番探しも旅の重要な一環となります。数年前までは夏休みに通常クローズしている教会が開放されていたのですが、ここ数年予算不足でそれがなく、わざわざ行っても見学出来ないところが増えています。

そんな中私なりの対策として土曜日午後が問題解決の日になっています。暑いので5時過ぎくらいに目的地に行って鍵番を探し、大体シエスタが終わったくらいに教会を見せてもらいます。また、土曜日だと家族訪問のために田舎も賑わっているので、結構教会も開いていることが多いのです。全然予想が外れて屋内が見られない時もありますが、昨日は上手く通常しっかり閉まっている教会を訪問出来ました。

ひとつめの訪問先は14世紀創立の修道院。残念ながら午後は見せてもらえませんでしたが、村人の話が爆笑でした。『尼さん意地が悪いから男なら入れてもらえるかもしれないけど、女と行ったら絶対無理だよ。』と言われたのです。案の定、扉を叩いても反応なし。こいう修道院は珍しいのですが、村人の言うとおり次回は午前中のミサの時間を狙うしかないようです。それにしても14世紀王女の一人が創設した修道院が良好なコンディションで、しかも超田舎で健在というのは、すごい事だと感心しました。

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Convento de Santa Clara
Villalobos Zamora

次に訪問したのは有名なサンティアゴ巡礼の町でもあるVillalpando。ここは20代に城壁跡を訪れたのですが、あまりにも町の保存状態が悪かったために怒りでムラムラしながら町を後にしたことを覚えています。ここはレオン王国とカスティーリャ王国の境界にある重要な町だったので、12世紀の教会が10存在します。今回は4つほど見学。その中のひとつSan Pedro教会は鍵番を探して観ることが出来ました。カスティーリャには無数のムデハル様式教会がありますが、このように修復前の教会に出会えることは最高です。どうしても現代の修復が施されると、この程度の教会は破壊されることの方が多く訪問しても悲しくなるだけなのです。

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Puerta de San Andres
Villalpando Zamora

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Iglesia de San Pedro
Villalpando Zamora

教会内部は16世紀17世紀と繰り返しのリフォームが施されていましたが、外観は中世の良さを強く残しており、まるでトレドを思わせる趣。カスティーリャの数多く残る13世紀ごろのキリスト像も2体美しいものが残っていました。

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鍵番のことは1830年代からあるという古い金物屋さんだったのですが、昔ユダヤ人がカスティーリャに多く存在した頃、この金物屋さんの建物はシナゴーグだったそうです。15世紀から16世紀にかけてユダヤ人はスペインから追放されていますから、その当時の事をまだ語り続けている人がいるのですね。偉大なことだと思います。

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この後、私が頼りにしている本によると幾つか訪問する価値のある教会があるというので、全く聞いたこともない小さな村を訪問。偶然、その中のひとつVillamayor de Camposでは、珍しい博物館に遭遇しました。古代から大きな建物は優れた天井で飾られていましたが、スペインには特にアラビア文化の影響もあり幾何学模様の天井木細工の偉大なものが残っています。カスティーリャの田舎には、近代化が至っていない歴史的建造物が多くあるので、芸術的な天井木細工が奇跡的に残っています。そんな天井細工の技術を伝える博物館で、とても勉強になりましたし、カスティーリャのメジャーな天井細工のある教会も全て教えてもらえたので本当に幸運でした。これでこの夏見るべき教会ルートが決まりました。

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*この博物館を訪問したい方は、必ず事前連絡をしてから訪れてください。夏以外はおそらく週末しか開いていないと思います。
Carpinteria de lo Blanco Villamayor de Campos

この博物館を後にして次の町では色々な友達から聞いていたレストランを訪問する予定だったのですが、町は夏祭りを祝っており2つの教会が開いていたので、食べることよりも美を優先。閉める10分程前に教会内を見せてもらえました。

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一級品と言えるような美術品はなかったのですが、伝統的なカスティーリャ王国の彫刻家のルネッサンス期の祭壇が大切に保管され、天井木細工も守られていました。他の教会の美術品もここにまとめて保管しているようなので、陳列状況は洗練されたものではありませんが、歴史の重みを感じる空間。スペインの本当の豊かさを感じます。

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アメリカ大陸発見以前のスペインの豊かさは、主に羊毛の貿易によるところがあります。どのくらいこの地域が豊かであったかは、今でも残るこのような文化財が物語ってくれますが、どれも中世な複雑な歴史を少し知らないと理解が困難です。

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Iglesia de Santa Maria del Rio
Castroverde de Campos Zamora

夏の間、土曜の夕方はこんな風に忘れ去られた小さい教会に残るスペインの宝を、出来る限り見て周るつもりです。


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by angel-chiho | 2016-08-08 07:05 | Castilla カスティーリャ | Comments(0)
Casa Grande de Rosende での夕食
前々回の続きでガリシアのパソについてお話します。今日はパソでの夕食について。
パソは写真のとおり葡萄に囲まれ、限りなくリラックスできる快適な空間。

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夕方しっかり散歩をして周辺のワイナリーを散策した後、あまりにパソのオーナーが親切なのでディナーもここですることを決心しました。

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このグリーンの趣のある扉がレストランへの入口。ガリシアの家庭料理を堪能できることを願いながら入りました。

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テーブルセッティングは完璧。ガリシアのリネンを使っている感じです。手作り感たっぷり。

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ガリシアに来た理由のひとつは、大好きな葡萄品種Godelloゴデーヨを満喫するため。早速、この地域のゴデーヨをオーダー。

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こちらがお勧めのおつまみ。チョリソもサルチチョンもホームメイド。チョリソは軽い燻製になっており美味。パンも最高に美味しいので、私はこの時点でかなりワインがすでに周っています。

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まずはエスカベッチェ!スペインのエスカベッチェは歴史的にも有名で、よく歴代王の食べたメニューを見ると必ず登場します。これはマスのエスカベッチェですが、マスのサイズが完璧。これ以上大きいと味が全然違います。私は特に夏エスカベッチェを食べるのが大好きなので、とにかく嬉しくなる一品。味付けも完璧。ヴィネガーとピメントン=スモークパプリカ、塩味のバランスが超上手でした。正確な配合を聞きたいくらいだったのですが、ワインを飲んでいたし、オーナーと色々な話をしていたので、レシピはまた次回訪問した時に聞くつもりです。レシピを聞くためだけにでも再訪したいくらいです。

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ここで赤ワインに。ハウスワインよりも真剣に作っていそうな酒蔵の赤にしてみたのですが、フルボディすぎるので、結局ハウスワインにしてもらいました。ハウスワインの方がずっとバランスが良くて美味しく、買っいたいくらいでした。

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ガリシアの牛肉は、スペイン各地に専門店があるくらい有名です。マドリードで私が買い物に使うお肉屋さんもガリシアの牛肉の専門店です。ジャガイモもガリシア産。ジャガイモもスペインで一番高いもののひとつがガリシア産のじゃがいも。古典的な家庭料理で大満足。久しぶりに心から美味しいと感じられる料理でした。
サラダはシンプルですが、パソの敷地内で収穫されたオーガニック野菜。シンプルで何より美味しく感じます。

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どの料理を食べてもシェフの腕の良さを感じるものでしたが、ガリシアに行くと通常女性が料理を担当しています。これはポルトガルと似ていて、『優しい味の料理』というのが一番ぴったりのコメントだと思います。最後に登場したデザートは洋梨のコンポート。私もコンポートは良く作りますが、こんな綺麗にピカピカにどうやったら作れるのでしょうか。見ていて惚れ惚れ!食べるのがもったいないコンポートでした。

次回はワインを飲み過ぎないようにして、しっかりレシピを伝授してもらおうと思います。

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最後にはパティオに食後のリキュールをセッティングしてくれました。これはオルホと呼ばれる典型的なガリシアのリキュール。消化にいいと言いますが、アルコールの度数が高く甘い飲み物。危険なドリンクです。

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見るからに素晴らしい人柄が出ているオーナーと跡取息子さん。こんな風に古い建造物を守っている人達は応援せずにはいられません。

Casa Grande de Rosende

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by angel-chiho | 2016-08-04 06:22 | Food 食 | Comments(0)





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