今日は、『小さなトレド』と呼ばれるムデハル様式の町について...
実はこの町、パートナーの祖先にゆかりのある町で、私たちにとってはただ歩くだけでも感情的になってしまう美しい不思議な町です。15世紀にスペインからユダヤ人コミュニティは、改宗をしなければ追放されてしまったのですが、その追放も一度だけのことではなく、それ以前から多くのユダヤ人に対する迫害は実施されていたのです。パートナーのファミリーは、アラゴン王国の宮廷に使えていた宮廷ユダヤ人に属するのですが、多くの困難を乗り越えてきたことが、調べれば調べるほど理解できます。それは、それとして、今日は美しいタラソーナの町を少し...
綺麗な色合いの町で、見るからに物語がいっぱい詰まっていそうなところですが、中へ入れば入るほど迷路になっていて、アラビア文化やユダヤ人の生活感を今でも感じることが出来ます。町の通りの名前も、当時のまま残っていますし、シナゴーグだったところも教会として今でも使用されています。
しっかり細かいことを調べずに、急きょ訪問してしまったので、ご先祖様ゆかりのところ全てを巡ることはできなかったのですが、色々と発見があり、マドリードに戻ってからも多くの発見が続いています。
なぜ急きょ訪問したかというと、ウエスカへ行った帰りに寄る時間があったからなのですが、なにより35年振りくらいに修復工事が完了したカテドラルが本当は見たかったのです。残念ながら、まだ訪問には予約が必要。限定訪問しか許されていないそうです。そんな訳で、今年の夏はもう一度タラソーナ訪問が必要みたいです。

大聖堂の塔もムデハル様式。ユダヤ人街の住宅も、非常にモダンなアラビア様式を思わせるもの。こういうレンガをふんだんに活用した建築スタイルは、スペインではまだまだ評価が足りないと思いますが、この町では保存がよく進んでいます。嬉しいことです。

こちらの建物が、昔のマーケットを修復したもの。現在は市役所になっていますが、昔は商業が盛んで会ったことの証である、豪華な市場だったところ。壁には、漆喰で作られたルネッサンス期のレリーフが綺麗に残っています。カルロス5世が、ボローニャで神聖ローマ帝国の帝王となった時のパレードの様子が復元されています。スペインでは珍しいレリーフ。かなりのイタリア人がこの町で活動していたことがわかっています。この町のことは、あのBequerが手紙の中でもその美しさを絶賛していたのですが、やっと近年になって再びその素晴らしさが評価されつつあります。この調子で修復を継続してもらいたいものです。