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Coleccion Granados グラナドスコレクションの展覧会
世界遺産の町セゴビアにある美しい封建時代の建物『Torreon de Lozoya ロソイヤの塔』で、今日7月1日から11月7日まで絵画のプライベートコレクションの展覧会”Semblantes” センブランテスが開催されています。運よく私は家族ぐるみの長~いお付き合いをさせていただいているので、オープニングセレモニーに参加して参りました。

Coleccion Granados グラナドスコレクションの展覧会_c0213220_648309.jpgColeccion Granados グラナドスコレクションの展覧会_c0213220_6495812.jpgセレモニーは12時から。マドリードからのアート関係者や友人が塔の前に集まっていました。きっと色々な人と話をしなくてはいけないと想像していたので、私は塔に着くなりすぐに建物の写真を一枚。なんとこの一枚を撮る時間しかありませんでした。しばらくぶりに会った人たちに、日本の地震や原発についての質問攻めにあい、その後は親しい人たちと世間話。話をしているのに、キョロキョロできないので、周囲の様子はこれ以上撮れませんでした。

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こんな風に塔内の数々のサロンに絵画が飾られています。壁の色が独特の紺色ですが、思ったよりも絵に合っていました。他の美術館にあるピンクというかオレンジ系の壁色よりもいいと思います。ところどころに暖炉や、典型的なスペインタイルが残っていて、実にスペイン的な建物。塔の名前は、最後のオーナーであったロソイヤ侯爵の名前からきているのですが、侯爵がしっかりとこの建物を守っていたので、まだそのスピリットが感じられます。

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オープニングセレモニーの様子。あまり面白いスピーチでなかったので早く終わらないかなぁ~と思っていたら、ちょうど電話が掛ってきたのでラッキーと思いパティオへ出たのですが、パートナーまでそれを上手く利用して会場を出て、すっかりおしゃべりに花が咲いてしまいました。それから先は、絵を鑑賞する暇は全くなく、知り合いに挨拶したり、知らないコレクターに紹介されたり。ずっと話っぱなし。かなりお金持ちのコレクターの方も来ていたのですが、あまりにもみすぼらしい服装なので、あとで笑い話になったくらい。穴あきのポロシャツは印象的でした。

Coleccion Granados グラナドスコレクションの展覧会_c0213220_7131416.jpgあるコレクターの老夫婦は、自分の息子たちが全く古い美術品に興味を示さないことを嘆いていましたが、孫たちも関心を示さないそうで、今の人たちはどうしてしまったのかと言っていました。確かに、スペインでアートコレクター、特に古いものを収集している人たちの会に行くと、若者の姿はほとんどありません。モダンアートには若者が集まるのですが...スペイン在住のドイツ人アートコレクターは、スペインのモダンアートのクオリティの低さを批評していましたが、特に、レイナ・ソフィア美術館の購入品の質の悪さを嘆いていました。これについては、私も全く同感です。

展示作品の中でも逸品のひとつ、ロレンツォ・ディ・クレディ Lorenzo di Crediのマドンナ。1500年から1510年ころの作品だと言われています。
いつもこの作品を私はオーナーのお宅で観ていたので、ここで観るのは違和感があります。やはり美術品は生活に密着しているものが理想だと思います。展覧会がこだわったものであっても、どうしても”展示”となると、家具も何もない空間に絵だけが吊るされていて、美しい壁や布、もろもろのものが足りないように思ってしまいます。


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こういうセレモニーに参加すると嬉しいのは、普通は入れないサロンに入れること。皆さん、何を話ていたのでしょうか。誰もがワインやビールを片手に忙しく話していました。
スペインでは、数日前に2016年のヨーロッパの文化都市として、サンセバスチャンというバスク地方の町が選ばれました。普通の状況ならば喜ばれるはずの選出も、現在この町の市長がETAをカムフラージュさせた政治団体に属していることから、大騒ぎになっています。セゴビアもその文化都市の候補だったので、セレモニーの間中、そのことは話題になっていました。



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やっとカクテル会場に辿りついたと思ったら、オーナー家のお嫁さんにつかまってしまいました。ワインを飲みながら話が弾み、この古いタペストリーの前がちょうど開いていたので、私はここに構えて動きませんでした。






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本当はこちらのテラスに出て、庭を楽しみながらおしゃべりをしたかったのですが、久しぶりに会った人がとにかく一生懸命色々話てくれるので、テラスへたどりつくこともできませんでした。

ルネッサンスの美しいテラス。
セゴビアには、こういう外見からは想像できない素敵な建物がたくさんあります。
スペインの歴史ある町のお屋敷は皆こういう感じですが、嘘のようで静かです。表は観光客がうようよしているなんと全く思えません。







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こちらはパティオ。テラスの様子と似ていますが、こっちは中庭。パートナーは、建築好きの知り合いと一緒に建物について、色々話をしていました。このコレクションのオーナーを紹介したかったのですが、私たちは奥で話し込んでしまい、ウェイターに『もう閉めますよ』と言われるまで居残っていたので、最後の最後に退場したので、オーナーにはお別れの挨拶もできませんでした。こちらの写真に写っている人たちは、クレイジーなアートコレクターたち。そんな風には見えないのですが...長くなるので、セゴビアでの話はまた次回。



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by angel-chiho | 2011-07-02 08:09 | Art 美術
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