8月幾つか訪問したい町や村があるのですが、何より家の修理もあるので、またまたカスティーリャに戻って参りました。今日は途中、大昔に一度停車し再び停まったことのないAdaneroアダネロの村で休憩。プラサ(広場)の小奇麗な方のBARに入ったのですが、叔父さん達がトランプをしている典型的な汚いBARでした。こういう時一度入ってしまうと、なかなかUターンして出られないので困ります。
この地域はイサベル女王の故郷、ムデハル様式の村がたくさんあります。カスティーリャの人々は、充分にムデハル様式を理解していないので、どんどん壊れたり壊されたりしていますが、理解するのに時間はかかるかもしれませんが、この建築様式見る目を養うと本当に興味深い建築スタイルです。
アダネロにもムデハル様式の建物が数多く残っていますが、教会のバロックスタイルの女神像が印象的でした。
この地域独特の石灰岩で掘られた女神、教会の入り口に祀って祀ってありますが、このまま放置しておくときっと酸性雨などで、ボロボロになってしまうと思います。それなりの対応はしてあるのかもしれませんが、これは屋内に入れるべきだと思います。もちろん、こういう風にオリジナルの場所で女神像を見るのが、理想的なことなのですが、自然環境の変化には抵抗できません。各地で、酸性雨から守るために、屋外の彫刻は屋内に移されていますが、美術品を次世代まで守るための重要なことだと思います。
女神の表情、悲しそうですが、とてもいいと思います。
こういう彫刻は表情が命ですが、この像はまだまだ綺麗に表情が残っています。今では昔の繁栄の様子が全く分からなくなってしまった町ですが、こういう見事な彫刻が身近にあり、それがまだ残っているということは運がいい方です。
町に残る立派な17世紀ごろのお屋敷。調べたわけではないのですが、これが有名なアダネロ伯爵の屋敷だと思います。スペイン絵画に詳しい人は知っているかもしれませんが、アダネロ伯爵はスペインでも有数のアートコレクターであり、彼のコレクションは現在ほとんどがプラド美術館や、他の有名博物館で保有されています。
昔、あまりにもすごいアダネロ伯爵のアートコレクションを知った時、この町も訪問したのですが、あまりにも伯爵の功績が見られなかったことを惜しんだものです。かろうじて、この建物だけはいい状態で残っています。今でもプライベート。末裔が保有しているのだろうと思います。
クリックしていただけると励みになります。Gracias!