私が夏滞在している町というか村は、人口500人くらいの小さい村なので、あっという間に村中の人と面識が持てますが、私は村の男性しかいないようなBARに行くタイプではないので、立ち話をするような知り合いは20人程度。殆どの人に挨拶はしますが、名前も分かりませんし、どこに住んでいるかも知りません。本当はもっと努力しなくてはいけないのでしょうが、今のところ田舎の近所付き合いあまり興味がないのです。
夜涼しくなってからマドリード同様、散歩に出かけるのですが、田舎の場合BARの前は通らないようにしています。かならずと言っていいくらい誰かに捕まり、何か飲まなくてはいけない破目になるのです。

昨夜はうっかり道を一本間違えBARの通りに出てしまったので、案の定隣の隣のお兄さんに遭遇、一緒に座らないわけには行きません。夜の11時半過ぎ、何も飲みたくなかったのですが仕方ありません。BARのテラスには時間も時間だったので、私たちだけしかいなかったのに、あっという間になぜか次々と人が来て、12時すぎには満員状態。スペインは本当に変なところです。
お伝えしたかった嬉しい話とは、12時過ぎに来た村役場の何でも係のお兄さんが、突然『新聞見たよ!記事切り抜いたよ。』と一言嬉しそうに言うのです。すぐに私のスペイン料理の本のことだと分かったのですが、まさか何でも係のお兄さんが喜んでくれるとは思わなかったので、この料理本には日々驚かされています。
先日も以前村長を10年以上勤めた女性が、新聞記事を見て、家にその記事の切り抜きがあると言われ、今度実際に本を見せに行く約束をしたばかりなのですが、この村の人がこんなに本のことを喜んでくれるとは思いもよりませんでした。
隣村のカフェでも何人かの人が、私を見るなり話かけてきたのですが、本のおかげです。何か広めるという行為はこういう効果があることを知りませんでした。
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