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またまた祭壇巡り

この夏は、祭壇をいくつ観たことか。
カスティーリャ地方だからこそ、こんなに膨大な数があるのですが、この間もマドリードに戻る途中で、今は住民も100名に達しないような小さな町の教会を訪問しました。

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ここは有名なルネッサンス期のスペイン人画家Berrugueteと関係の深い村ですが、信じられないようなクオリティーの祭壇画が存在します。カスティーリャの名もないような町でよくあることなのですが、宝石のような美術品がひっそりと立っています。村の老人の中には、今でもすごい信仰心深い人がいますから、教会の中は綺麗になっており、ボランティアの方が限定期間だけは教会を開けに来てくれます。(教会の扉に担当者の電話番号があるのです)スペインの田舎の教会を見たい時は、実に鍵探しに苦労します。


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特に、この板絵には感動しました。Berruguete自信の作品ではなく、工房のもので弟子の作品だと思われますが、この時代はBerrugueteをはじめに、カスティーリャで活躍していた画家は、イタリアまたはフランダース絵画の影響が強いので、素晴らしいテクニックとセンスで描かれています。すっかり見惚れてしまいました。

よく見えないと思うのですが、青みがかったバックの風景...こういうフランダースやドイツ系の画家の風景の描き方が、私はとても好きなのです。

また、祭壇が収められている家具も美しいもので、絵に集中していると家具にはあまり目が行き届かないのですが、ゴールドがふんだんに使われているだけでなく、どちらかというと可愛いペイントが施してあるので、当時の人の好みが伺えます。





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こちらは同じように小さいアヴィラ県のとある村。夏の間だけ訪問できるようになっているので、回り道だったのですが訪問してみました。外観からは想像できない豪華さの内部ですが、もともとは城であり宮殿でもあった建物が教会にリフォームされているので、かなりスタイルの違う建築様式が混ざっています。

目的は、もちろん祭壇画。15世紀終わりに近いような素晴らしい絵画がありました。私が思っていた作品とは違ったのですが、行ってよかったです。カスティーリャ地方の教会が保存している美術品は、まだまだ登録管理が不十分で、資料が実際に足を運ばないとありません。今回訪問した2つの教会の収納品についても、ある学芸員の方が欲しがっており、彼と一緒に調査を進めています。興味深い発見がありそうです。

カスティーリャ地方には、スペインの文化財の半分が存在しているのですが、このように教会などを訪問すると、その膨大な量に圧倒されます。




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荘厳な祭壇画には、写真に収めたいシーンが沢山あったのですが、とにかく照明が不十分なので思うようには撮れませんでした。ある聖女の手の表情が動きがありエレガントで感銘を受けたのですが、私にはカーネーションを摘んでいるように見えます。皆さんはどう思いますか。

スペインにカーネーションが伝わったのは、16世紀なのでこの絵が描かれた頃です。画家の出身地が分からない場合も多いのですが、ここの祭壇画のスタイルから、私にはカスティーリャ地方出身の画家には見えないのですが、こういう細部から色々な情報が得られます。ファッションも大切なのですが、植物などもかなり重要です。

修復家の腕があまり優秀とは言えないので、実際の絵がどんなものであったか想像する必要もあるのですが、こういう小さい村の場合、特に誰が修復を担当しているのかが問題です。

今年の見学目標は、あと2ヶ所です。






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by angel-chiho | 2011-09-08 05:05 | Castilla カスティーリャ
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