11月1日は『すべての聖人の日』。スペインのお彼岸のようなものでお墓参りに行くのが習慣です。
私は1日に行くとすごい人なので、いつも少しづらしてお墓参りに行くようにしているので、昨日は紅葉を楽しむために近所のエル・エスコリアル修道院へ行って参りました。
今までエル・エスコリアルへ行く度に、フェリペ2世の寝室を見たり書斎を見たりしていると、彼の好みや性格を色々想像することが出来るし、特に専門書に書いてあるフェリペ2世の姿が正しいのか、現実的ではないのか判断して愉しんでいました。
その中で前々から不思議だったことがひとつ...それが生前フェリペ2世が収集していたという膨大な聖遺物。死後の記録を読んでも本の数や聖遺物の数はかなり正確なデーターが残っているのです。当時の人にとって聖遺物は大変神聖なもので、日本であれば舎利殿に保管するような大切なもの。一体どこに保管されているのかなぁ~とずっと思っていたのです。
これがフェリペ2世の集めた聖遺物の数々。16世紀の細工が施された宝物のような箱に世界各地から集められた聖人の骨やゆかりの物が納められています。左上の写真では、実際の大きさが分からないと思うのですが、エル・エスコリアル修道院の世界でも有数の大きさのチャペルの壁一面が棚になっていて、普段は扉がしまっているので、一種の祭壇画と錯覚してしまいます。
高さは10mくらいある棚で、そこにビッシリとレリカリオが並んでいます。おまけにこの家具1つあるだけでなく、祭壇の両側に対になって設置されているのです。つまり男性と女性に分けて存在するのです。
写真はエル・エスコリアル修道院のHPから
こちらの写真でどんな感じか分かると思います。ずっとどこにあるのか不思議に思っていたフェリペ2世ゆかりの聖遺物なので、私にとってはとても感動的でした。美術品としての価値も深く、スペイン各地に残るこのような聖遺物の中でも、流石フェリペ2世のもの。重厚感のある圧倒的な美しさでした。
こういうモノを見ると、フェリペ2世にとってどのくらいこれらの聖なるお守りが必要なものであったのか、彼の精神的な世界を垣間見ることができたように思います。
残念なのはこの聖遺物、年に5回=5日間しか公開されません。写真撮影も禁止されています。
歴史、特にフェリペ2世、スペインルネッサンス期に興味のある方には必見の一品だと思います。次はクリスマスの日に公開されるそうです。
写真はforesbarから。
クリックして応援してくださいね。励みになります!Gracias.
人気ブログランキングへ