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スペインの田舎パン
グローバル化のメリットとデメリットは長い時間をかけて天秤にかけ評価されると思いますが、食文化でのグローバルかはメディアにどれだけ登場するかによって左右されてしまう部分が多々あります。そんな中、独自の足で探し回って発見しないといけないものなどあると思うのですが、都会に住んでいるとモノがあふれ過ぎているので、重要な感覚自体が麻痺してしまいます。

パンは30年以上前のマドリードでは美味しいものがほとんどなく、スペインのパンには興味がわきませんでした。田舎だけは別で旅の途中に信じられないくらい美味しいパンに出会うことはあったのですが、都会で美味しいパンの記憶はありません。それがここ5,6年の間に変化し、伝統的な丁寧な作り方をするこだわりパン屋がたくさん出店する時代となりました。通常のパンの3倍くらいの値段になりますが、本当においしいパンが簡単に手に入るようになりました。

これはこの上なく嬉しいことなのですが、こういう都会でこだわりのパンを作っている人達のパンはどれも似ているのです。きっと有名なパン職人さんの工房で修行をした人達ばかりなのでしょうが、スペインのような歴史ある多様な国の場合、もっと各地域の素朴で歴史あるパンも復活させた方がいいのではないかと思います。地方にまだまだすごいパンが残っているのです。

私のパンとの関係はオリーブオイルの仕事があるので、切っても切れない関係となって来ており、特に田舎や山奥の昔から続く窯で焼かれるパンには絶大な関心があります。最高のオリーブオイルには、やっぱりベストなパンを組み合わせたいのです。

運よくカスティーリャの田舎で夏は過ごしますので、もっと本格的にパン工房や窯を調査しようと本気で最近思うようになりました。まずは近所のパン屋さんから訪問始めました。

人工500人くらいの町にある50~100年くらいの歴史を持つパン屋さん2軒。100mくらいの長さの短い道に2店舗が共存しているのが不思議です。

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いい感じの味を出しているパン屋さん。日本では考えられないような外観ですが、こういう様子は私にとっては有望です。

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こちらがもう一軒のパン屋さん。建物は新しくなっており、活動内容もこちらの方が大きそうです。運よくこちらの工房は見せていただけました。

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パンではなくロスキーリャと呼ばれる甘い菓子パンを作っている様子です。アニスシードが入ることもある乾パンのようなお菓子ですが、カスティーリャではよく生地にラードも入っています。ワインやリキュールに浸して食べるようなお菓子です。

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手前に見える輪がロスキーリャ。甘さもとても控えめなので私もとっても好きな菓子パンですが、ラードが気になります。

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鉄板に並べてオーブンで焼かれます。このパン屋さんの有り難いところは、ローストも引き受けてくれるところにあります。我が家でラムのローストを作りお客様をおもてなしする時は、このパン屋さんにテラコッタ鍋と肉を運びこめばOK。じっくりと古い窯でローストを焼いてくれます。

パンとは話題が代わってしまいましたが、少しづつ近辺の美味しいパン工房を調査します。何と言ってもスペインで最もパンが有名な歴史ある地域に住んでいるので、たくさんの発見があると思います。我が家から40分くらいの村にはパン博物館もあるので、こちらにも今年の夏は行ってみたいと思うのですが、きっと先にポルトガルのパン博物館へ行ってしまうと思います。なんだかんだカンで動いてしまう性格なので... いずれにしろ、大昔から変わらず作り続けられているスペインのパン文化をしっかりと探求してみます。


c0213220_3241139.jpgスペイン料理の本も書くチャンスに恵まれました。伝統的な家庭料理がお好きな方にオススメです。私が美味しいと思った料理で、日本でも簡単に作れるレシピを集めています。アマゾンで好評発売中。1470円
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by angel-chiho | 2018-06-28 08:42 | Food Culture 食文化 | Comments(0)
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