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Turegano トゥレガノと城
カスティーリャに住んでいて本当に運が良いと思う事は、歴史的なエピソードが残る城が多いこと。有名人が関係していない城には、城が芸術的に相当美しくない限りあまり興味を持てません。カスティーリャにはそういう意味で重要な役割を果たした城や修道院などが多いので、あちこちで映画を見ているような体験が可能です。

カスティーリャでも有数の立派な城が残る町トゥレガノ。30年も前に父と訪れた事があります。他の歴史ある町はもっと何度も訪問するのですが、ここはなぜかどこに行くにもかなり寄り道をしないと通らない町なので、長い年月が訪問せずに過ぎてしまいました。そのため記憶に残っている体験は父との訪問だけで、一種の哀愁を感じながらの町を散策しました。
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町の様子は30年前とほとんど変わっていませんでした。カスティーリャの美しい中世の町並みが残るところは、比較的修復が進み活気を持っているところもあるのですが、ここは逆に人口も減っているような感じでした。ただ、趣のある建造物はギリギリ崩れず残っているような状態で、なんとか若者が田舎に移り住む勇気を持ってくれることを願うばかりです。そんな中、唯一修復が進んでいたのが町の要塞。この城は珍しく城内に教会も吸収しているので城と教会が合体してひとつの建造物になっています。昔は神父さんに鍵をもらわないと教会には入れないような不便なところでしたが、今はきちんと管理人の窓口があり、いつでも訪問可能です。
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紋章は壊れていましたが立派な入口が残っています。この入口からだけでも内部の様子はかなり期待できます。

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イベリア人の時代からあったというこの町の歴史そのものを物語る建造物。時代と共に上に上にと伸びて、各時代の様式が積み重なって今の形を作り上げています。
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城内には教会の入口から入りますが、教会は完全に要塞に吸収されており、部分的にだけ教会の美しい彫刻が残っています。素晴らしい扉には見惚れてしまいました。
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すごく壊れているように見えますが、昔からの状態で残る建物は貴重です。これは修復されるとタイルや石は張り替えられてしまうことが多いので、実はこんな風に見られることが最高にラッキーです。
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チャペルの脇にあった扉は昔の牢獄へと続いています。教会の中に牢獄?と思われる人もいると思いますが、城の教会となってしまったので、重鎮を牢獄に送る場合にはこのような偉大な城が使われたのです。ここには16世紀スペイン国王フェリペ2世の国務長官だったアントニオ・ペレスという人物が一時期投獄されていましたが、このような人物の場合は監禁状態という方が合っているかもしれません。子供たちも一緒に居ることを許されていたようですが、ここから逃亡しようとして別の牢獄へ移されています。


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牢獄の居間。寝室も上にあり、どちらの部屋にも暖炉が付いていました。こんな風に家具も置かれているので、まるで今にでもアントニオ・ペレスが登場しそうな感じです。フェリペ2世は人気のある国王とは言えませんが、興味深いエピソードがたくさん残っている王なので、各地で彼に苦しめられた人物ゆかりのモノや建物があり、どうしても身近に感じてしまう歴史上の人物。カスティーリャに住む私のデイリーライフからも切り離すことの出来ない存在です。
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Antonio Perez これがアントニオ・ペレス。意味深な眼差し...歴史では反逆者ですが、フェリペ2世に背きフランスにまで逃亡し生き延びた人物は、やっぱりすごい強運な人だと感じます。スペインの歴史ファンには見逃せない政治家です。おまけにフェリペ2世の異母兄弟ホワン・デ・アウストゥリアの側近でもあった人物なので、フェリペ2世ファミリーの秘密を最も知っていた人物なのでしょう。
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この場にアントニオ・ペレスも座って城外の事を想像していたのかなぁ~と、カスティーリャに行くと別の時代に頭が飛んでしまいます。

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城の屋上からの景色はカスティーリャの初夏そのもの。この彩が毎年楽しみで仕方ありません。今年も時間が許す限り歴史ある建造物を見学したいと思っています。
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by angel-chiho | 2018-06-30 07:20 | History 歴史 | Comments(0)
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