秋も終わりに近づくと暖炉があるバルやレストランで伝統料理が食べたくなります。12月は今年最後の連休があったので、25年振りくらいにラ・マンチャのウクレスという町へ行っていました。別の機会にドン・キホーテ料理については書こうと思うのですが、ラ・マンチャではセルバンテスが1605年に発行した『ドン・キホーテ』の中で登場する当時の色々な料理が今でも楽しめます。今日はそれよりももっと古い『オートミール』のような古代から食べられていたと思われる料理についてご紹介します。
写真がその『ガッチャス』。まるでソースのような感じですが、材料は小麦粉を使うのが一般的なのですが、ラ・マンチャでは小豆の一種が使われていたそうです。今でもその粉が販売されています。味付けはベーコンやチョリソ、ピメントンがベースになっているので、おふくろの味という感じの料理です。古代から最も庶民的な料理のひとつで、羊飼いの人がこれをきっと焚火で調理し、持ち合わせのパンに塗って食べていたのだろうと想像できます。イタリアのポレンタなどにもつながる料理だそうです。こんな感じのものを毎日食べられたらきっと恵まれた環境にいた人なのだろうと思いますが、食べると優しい味で歴史の重みを感じる味がするので不思議です。
通常写真のようなスタイルで食べるので一人で一人前日本人の私が食べるのは大変なのですが、あるレストランで美味しい食べ方を発見しました。オリーブオイルで揚げたポテトにガッチャスをまるでソースのように掛けて食べる方法です。これは超気に入ってしまったので、今度この料理をマスターしたいと思っています。ベーコンやチョリソの他にやはり自家製スープなどをプラスするとよりコクのある味付けになると思っています。スパイスも重要ですが。
この写真のようなガッチャスが出来るようになったらレシピアップしますね。スペインの伝統料理の底力を感じさせてくれる料理です。
スペイン料理の本も書くチャンスに恵まれました。伝統的な家庭料理がお好きな方にオススメです。私が美味しいと思った料理で、日本でも簡単に作れるレシピを集めています。アマゾンで好評発売中。1470円