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17世紀スペインの家屋とインテリア
やっと17世紀スペインの劇作家ロペ・デ・ベガの家を見学することが出来ました。
ずっと行きたくて仕方なかったのですが、予約制なのでなかなか訪問できませんでした。ここは私のカントリーハウス修復のアイデアの宝庫だろうと前から思っていたのですが、想像以上の収穫があり、今後の修復工事に絶対反映させたいアイデアがたくさんありました。

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まずこの階段に感動したのですが、ほぼ我が家と同じ状態の階段で、壁の塗り方や窓の設置の仕方まで全てが参考になりました。
階段を上がると目の前に小さなチャペルが設置されているのですが、それがとても可愛いチャペルで、ロペ・デ・ベガが熱心な信者であったことが上手く復元されていました。
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あちらこちらに設置されている装飾品がすべて当時のもので美しく、もっとじっくり鑑賞したかったのですが、頭の中で様々な家具や受け継いだ調度品をどんな風に配置したらいいのか相当明確になりました。扉もどれも17世紀当時のものでした。

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チャペルの隣はすぐに書斎になっています。写真の右側にある肖像画がロペ・デ・ベガの60代の様子を描いたものだそうです。彼は大成功を収めた劇作家で当時はセルバンテスよりも人気の作家でした。彼ら二人はライバル同士だったので、仲が悪かったと言われています。このロペ・デ・ベガの家がある通りの一本先が、セルバンテスの埋葬された修道院で、この偉大なふたりの作家を知るにはマドリード訪問が欠かせません。

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机の前にスペイン式の七輪のような円形の家具が置かれ周りに椅子が置かれていますが、こうして来客があると火を囲んで会話を楽しんだそうです。周りはすべて本で囲まれていますが、我がパートナーの理想の書斎がこのロペの書斎だと今日はじめて知りました。

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我が家に古本はかなり個人的に収集したものと、義理の両親から譲り受けたものがあるのですが、こんな家具をデザインして並べてみようかと思います。これらの本はペルガミーノとよばれる羊皮紙を使った本で、紙が豊富になかった時、スペインでは羊皮紙が紙の代わりに使用されていました。
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家具もすべてスペイン家具で統一されており、燭台やオイルランプも典型的なスペインのもので飾られていました。このタイプのオイルランプは複製品がよくありますが、17世紀当時のものはハンドメイドであることがしっかりと分かり、見惚れてしまう完成度の調度品でした。絵画も可愛い子供が描かれていて微笑ましく、子供がテーマの作品のように見えますが、これも完全なる宗教画でスペインらしい作品です。

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今回一番気に入ったのがダイニングルーム。これはロペが残した家の記述を基に復元されているのですが、彼の家にはしっかりとしたダイニングルームがあったそうです。17世紀静物画や陶器、ベネチアングラスまで飾られており、とてもお洒落な人のダイニングルームになっていました。田舎の我が家も見習いたい部屋です。キャビネットもこんな感じのものを探してみたくなりました。

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こちらがキッチン。
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そして何より素敵だったのが、このタペストリーの使い方。スペインには世界一のタペストリーコレクションがあるくらい、歴史的にタペストリーは重要なもので生活に密接に関係していました。フランダースからのタペストリーは高級品でステイタスの象徴。家の格が上がる調度品です。タペストリーには目がないので自分でも作りますが、古いものの色合いは復元不可能な貴重なもので、いつかこんな風に使えるものを作るか、小さくてもいいので手に入れたいと思います。
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天蓋付きの寝具は圧迫感があり、現代の暮らしにあまり復元したいと思いませんが、ここにロペのファミリーがそれぞれの部屋で暮らしていたかと思いを巡らせるにはピッタリのセッティングでした。ロペの寝室、息子たちの寝室、母親と娘の寝室と3つ復元されていました。

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17世紀のスペイン陶器花瓶。
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宗教画も愛らしい作品が展示してあり、宗教に関係なく楽しめるものばかりでした。
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パティオに残るロペ在住の時からあるオリジナルの井戸。今でもしっかりと水があります。植木はロペが住んだスペイン各地を代表するものが植えられており、レモン、月桂樹、ザクロなどが目立っていました。
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そろそろぶどうの収穫が真っ盛りになりますが、ここのぶどうもいい感じで育っていました。パティオに本当はぶどう棚が私も欲しいのですが、ぶどうを植えるとハエや蜂が来るようになるということで、断念せざる終えないかもしれません。その代り藤またはジャスミンを植えようと考えているところです。
今日はインテリアだけでなくパティオのアイデアまである実り豊かな訪問となりました。










by angel-chiho | 2021-08-30 07:46 | Madrid マドリード
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