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最高のパンコントマテ

スペイン各地でパンコントマテは食べらますが、本当においしいなぁ~と感動するものは、私の体験ではカタルニアのパンコントマテです。トマトもパンもパンコントマテ用がしっかりあります。トマトは房状のもので、パンコントマテ用に販売されており、スペインの他の地域ではあまり見られないタイプです。

先日、カタルニアに属するヴァイエ・デ・アランValle de Aranの甥達に会いに行ったのですが、やっぱりパンコントマテが素晴らしいものでした。簡単にご紹介します。

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これはホテルの朝食の様子です。パンコントマテ用のテーブルがあるのです!これだけでも感動ですが、しっかりここでどんな風に食べるべきか、ディスプレイが出来ています。

トマトピューレ状になったトマト、丸ごとそのままのトマトとオプションがあります。にんにくも付いていますが、これだけはどこで食べても大体同じなので、こだわらなくていいと思います。写真のトマトがパンコントマテ用のトマトで、玉状の真ん丸タイプ。個人的には、これをハーフカットしてパンにこすりつけるのが、ピューレタイプよりずっと美味しいと思います。

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こんなシンプルな食べ物が感動を呼ぶことがすごいと思うのですが、アルベキーナ種のオリーブオイルとフロールデサル(海塩のフレーク)を使って作るパンコントマテは、至福の美味しさで毎朝食べる価値がありますし、全然飽きないのです。

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オイルはスパイシー過ぎないアルベキーナが最も合うと思います。とにかく、掛け過ぎと思うくらいたっぷりかけることをおすすめします。

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これが世界一美味しいと思うアルベキーナのオリーブオイルです。
スペインのトレドで作られていますが、これ以上美味しいアルベキーナは滅多にないと思います。
250ml 1700円(税別)
輸入元 株式会社サンワ
# by angel-chiho | 2019-12-17 06:29 | Food Culture 食文化
ポルトガル、ドウロ上流の白ワイン
私の仕事は、スペインやポルトガルで美味しいものを発掘する仕事ですが、実に面白い仕事だと思っています。探し方は色々ですが、常に情報も集めていますし、生産者の人達との交流もするようにし、あらゆるところにアンテナを張って、衣食住の世界を文化として捉えています。

大切な取引先であるカームを発見した経緯も不思議なものでしたが、ベースにはイベリア半島中の優れたオリーブオイル生産地の調査があり、長年の友人からのアドバイスも偶然なものではありませんでした。

白ワインは非常に繊細なもの。私の場合、日本酒の文化が故郷なので、大吟醸のデリケートさや複雑なフルーティさを、白ワインにも求めてしまいます。赤は全く別ものなので、完全にスペインにワイン文化を学んだといえますが、白ワイン選びには日本酒の価値観が原点に設定されていたようだと、今となると感じます。

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こちらがカームの白【Reservaレセルバ】と命名されているワイン。これはイベリア半島で、私が一番好きな白と言っても過言でありません。リオハにラミレス・デ・ガヌーサという素晴らしい造り手の白ワインがありますが、それもかなり好きですが、残念な事にこちらは年によって相当クオリティに差があり、何年ものを飲んでも美味しいとは言えないのです。カームはそうではなく、非常に安定したクオリティで毎年楽しませてくれます。

このワインの特徴は、ハチミツを思わせるようなゴールドに微かなグリーンのある彩、独特の質感。ビロードのような厚みがあるクリーミーさは、極めて丁寧なバトナージュがされていることがよく分かります。ただ飲みやすいという白ではなく、上品でエレガント、誰もが見惚れてしまうような液体です。スワリングは快感になるでしょう。

香りは柑橘系だけでなく、年によってはトロピカルフルーツも感じられるので、辛口ワインですがほのかな甘みも感じられる仕上がりです。口に含んだ時に感じられる様々な香りを識別できるように、じっくり味わってみてください。ポルトガルに生息するラビガト、コデガデラリーニョなど、日本では聞きなれないブドウの品種の味わいが、少しづつお口の中で広がってくると思います。適温で飲むと余韻もしっかりとあるワインです。

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参考小売価格 3000円(税別)

ポルトガルの農園で手摘みで収穫されたぶどうがワインになり、瓶詰され海を渡って日本で群馬にある株式会社サンワの倉庫で保管され、様々な経路から日本の皆様の口に入ります。簡単なようで、大変な道のりがあり、ワイングラスに注がれるまでには、相当な人の手を渡りやっとたどり着きます。

ワインに魅了された人たちの情熱のおかげで、日本のような遠い国に届けられたと言っても言い過ぎではないと思います。

このワインを飲む時、このワインがポルトガルの最も険しい地区で生まれ、長~い道のりを経てやっと日本に届き、あなたのグラスに注がれたと知っていただけたら、そのひと時は間違いなく至福のものになると思います。

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カームファミリーの自然への尊敬の念が、ワインには封じ込められています。

お買い求めの問い合わせは、株式会社サンワ Eコマース部門
Tel:027-226-1147
Fax:027-252-1306
# by angel-chiho | 2019-12-12 06:59 | Portugal
ワインの輸入販売を開始しました。
夏から超ハードなシーズンを過ごし、やっと11月中旬になり仕事が一段落致しました。ブログはすっかりご無沙汰してしまったのですが、それなりに新しいステップを今年は幾つも設定しており、まずまずの達成が出来たので、個人的に満足できる1年となりました。

忙しかった理由のひとつがワインの輸入販売開始プロジェクトで、数年準備をしてやっと実現させることが出来ました。自然派ワインをポルトガルから輸入開始。心から満足し納得できるものでないと、取り扱うつもりはないので、たくさんのオファーをいただくのですが、選べるものは極めて少ないのが現状です。

真夏のワイナリーを訪問し、準備段階をチェック。オリーブオイルと同じように、このワインはこんな風に取り扱って、こんな風に販売したらよいというマニュアルはないので、良さが伝わるようにするためには自らの目で確かめて伝えられるようになるしかありません。

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私は人が手を加え過ぎていないワイルド感のあるところが好きなので、このポルトガル北部ドウロ川上流は大好きです。フランスのボルドーやブルゴーニュの風景と違い、ドライでぶどうもやっと生きているような環境ですが、独特の透明感と奥深さがありとても惹かれます。

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ワインはこの風景からは想像できないようなエレガントさを持つワインで、最初に飲んだ時の驚きと感動は忘れられません。オリーブオイルでもビックリしたのですが、ワインもやはりそのピュアさと本物の重みを初回から感じました。

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今年はぶどうの生産量は少ないそうですが、質はとても良いものが出来たそうで、今からワインが楽しみです。それにしてもこの色は魅力的。香りを伝えられないのが残念です。

こんな夏の下準備の後、10月は日本各地でワインの試飲会を開催しました。特に印象的だったのが、東京の木村硝子店での試飲会。尊敬する木村社長のサポートのもと、記念すべき東京での第一回目のワイン試飲会が開催出来た事は一生記念になるものでした。これ以上のスタートは考えられません。
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もちろん、ポルトガルからオーナー、フィリペ・ロボレド・マデイラ氏も応援に駆けつけてくれました。大切な自らのワインを日本で広められることを、彼も深く満足しているようです。

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チャーミングな木村社長。偶然にあるオルガンのご縁でお互いの存在を知る事が出来たのですが、世の中不思議なご縁ほど素敵な展開があるように思います。こんな会を実現させてくれた木村社長には、本当に感謝の気持ちで一杯です。

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他にも、優れたハウスメーカーFILEさんのショールームで試飲会。素晴らしい料理研究家が京都から駆けつけてお料理もポルトガル風に作ってくださいました。

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東京は日本のどこの町ともお洒落度が違うので、見ていてワクワクする環境。来年に向けて東京では新しい展開を計画しておりますので、皆様も楽しみにしていてください。

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故郷群馬では、50名の参加者のもとイタリアンとのフードペアリングを開催。自然派ワインの良さを、ビデオを流しながらお伝えしました。

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関西に移動し、西宮の小さいけれど本格的な美食家の皆様があつまる掬水舎でも試飲会を開催。繊細な掬水舎代表南恵子さんの、お料理を堪能致しました。

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京都では、イタリアン薬膳のLudensさんで素晴らしいポルトガルをインスピレーションのディナー。チーズまでアソーレス諸島のものを取り寄せていただきました。An's Tableさんのオーガナイズはいつも最高です。

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ビファーニャを意識して作った一品。

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そして、二条城前にある新しいホテルカナタでの試飲商談会。最高の素材に囲まれて、リラックスできる空間の中でワインをテイスティングしていただきました。理想的な場でのワインの試飲は、本当にワインの良さを知るために大切です。

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最後は、ミシュラン2星の祇園にしかわさんでの、和食とのフードペアリング。この上ない体験をさせていただきました。大将のにしかわさんは、ラグビーワールドカップのVIPのためのパーティーでもお料理を担当するほどの腕の持ち主。お人柄もルックスも素敵で、私は一目でファンになりました。今回は北海道から天然のマイタケを取り寄せてのお料理。乾杯はワインでなく、ゆず酒ではじめ、その後はカームのワインで通しました。

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素晴らしい芳香を放つマイタケでした。

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美しい京料理の数々。

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カームのマリアデルルデスという高級ワイン。複雑な香りが何層にも感じられる上品なワインです。案の定、京料理とは抜群のマッチでした。

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にしかわさんとカームのオーナー。スペシャルな会だったことが表情から伝わると思います。An's Tableさんの努力の賜物です。
一連の会を実現するために、お力添えして下さった皆様に、あらためて御礼申し上げます。

多くの皆様の応援とサポートで、無事ワインも日本で販売開始となりました。現在7種類、デイリーワイン的なものから高級なものまで取り揃えて、販売を開始しております。お問い合わせは、パワジオ倶楽部にお知らせください。Tel:027-254-3388

年末年始に向けて、私が一番おすすめしたいのはマリアデルルデス。赤と白揃っております。じっくりとワインを堪能していただくための品質です。出来ればデカンテーションをしてお召し上がりください。

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# by angel-chiho | 2019-11-21 05:11 | Wine ワイン
田舎の家はいよいよ修復工事

すっかりご無沙汰してしまいましたが、皆様、夏をいかがお過ごしですか。
私は田舎の家のリノベ―ションを開始したので、この夏は埃の中で思いがけない楽しい体験をしています。

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17世紀の石と日干し煉瓦を使った伝統的なカスティーリャの建造物ですが、メインの部分を修復する前に、中庭周辺の建物を直し、こちらに家具を移動し住めるようにしています。出来る限り古い部分を活かしてリノベをしたいと思っているので、工事中は何度もチェックしないと、やり直しやり直しで大変なのです。まぁ大きな工事の予行演習のようなものを現在実施中です。

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この工事を開始してから、20代の頃読んだピーター・メイルの【プロヴァンスの12か月】という本のことを思い出してばかりいます。当時は自分がこんなスペインの田舎でリノベをするとは予想していませんでしたが、今を思うとあの本を読んだ頃から、私はヨーロッパでこんな修復工事に挑戦したかったのかもしれません。

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写真では工事の進行状況が見られると思いますが、この工事を開始する前に実は何人もの職人を試しているのです。どの職人さんもまた来てもらいたいという人は、過去10年間存在せず、やっと村の建築士と信頼関係を築いてから、今回お願いしている職人さん達に巡り合いました。良い職人さん探しも10年がかりでした。ピーター・メイルが書いていたように、誰もが時間にはかなりルーズなので、この職人さん達のことも1年以上待ってやっと来てもらえました。いつ来るか分からないほど、スペインの田舎では予定が組めないので、プロヴァンスなんてもんではありません。

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工事の状況は毎日何度もチェックしているのですが、仕事で数日留守にして戻ってきたら、上の写真のように壁に扉が2つ隣接して設置されていました。出かける前に打ち合わせをしていたのに、後から来た水道屋さんの意見で、ドアの位置が変わっていたのです。なぜ連絡くれないのか意味がわかりませんが、今回の職人さん達とは信頼関係がある程度あるので、このような間違いが発生しても、無理なく変更が出来るのが救いです。

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こんな風にドアの位置は無事変更。次にあ~だこ~だになった話題は、古いドアについて。職人さん達は基本的に新しいモノの方が問題がないという考えなので、アンティークのドアやハンドメイドのタイルなどには、かなり意見がシビアです。設置もスムーズではないので、理解できないことはないのですが、何度も何度も『古いモノが好きなの?』と聞かれます。最終的にはしっかり設置してくれているのでいいのですが、趣味の違いは明らかなので、細かいところまでチェックしないと本当に危険。でも、彼らのおかげで良いドア職人を紹介してもらえました。既にアンティークドアを4枚ほど、新しい枠に入れてもらい、ドアの板の部分をくり抜いてガラスを入れてもらったり、ずっとやりたかったリフォームが急スピードで実施出来ました。これは予定外の幸運です。

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エクステリアはかなりキレイになって来ました。が、ここでも壁の色で意見が合いません。私は白く塗るつもりですが、職人さんたちはベージュがこの地域には合うと言っています。ベージュは昼間は綺麗に見えますが、私には悲しく見えるので絶対に白壁にしますが、この家のオリジナルも白壁なので、変える必要はないのですが、まぁ言い分は聞いてあげるようにしています。

そんな訳で今年は移動もあまりせずに、工事の中で夏を過ごしております。このリノベについては、また次回進行状況をお伝えします。面白い体験を沢山しながら過ごしているので、毎日が楽しみで仕方ありません。村の人も修復工事を喜んでくれていて、のぞき見の人も日々絶えません☺



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オリーブについての新書が、家の光協会から2019年2月27日に発売となりました。パワジオ倶楽部・前橋と共に監修した、オリーブをはじめて楽しむ方々におすすめの本です。木の栽培からオリーブの実の漬物の作り方まで紹介しています。オリーブが好きな方必見です。アマゾンで発売中。1512円





















スペイン料理の本も書くチャンスに恵まれました。伝統的な家庭料理がお好きな方にオススメです。私が美味しいと思った料理で、日本でも簡単に作れるレシピを集めています。アマゾンで好評発売中。1470円

# by angel-chiho | 2019-08-17 05:58 | Country Life 田舎生活
ポルトガルの塩田


ポルトガル南部アルガルベの塩の輸入は、もう10年来実施していますが、遠いのでなかなか訪問出来ない場所のひとつです。おまけに完全に自然に頼った生産をしているので、気温、風、雨と色々な天候に左右され、訪問するタイミングを合わせるのも大変なのです。

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古代フェニキア人、ローマ人がこの塩田を加工品を作るために作っていたそうですが、21世紀になった今も手法はほとんど変わっていません。私が選んでいる『マルノト』とポルトガル語で呼ばれ塩職人は、この地で代々塩づくりをしてきたそうです。同時にウィンドミルも運営していたそうですが、現在は完全に塩だけ生産しています。

塩づくりは昔ながらのアルチザン生産と大量生産が、同じ地域で実施されていますが、大量生産はブルドーザーを使い不純物、土も入ってしまうような収穫方法で、後に人工的な精製工程が必要となります。
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簡単に言いますと、海塩は海水をかん水して、1リットル3%=3gしか含まれていない塩を、海水の濃度を上げて採取していきます。最終的に天日で池を乾燥させる入浜式塩田で、最高の結晶であるフロールデサルは作られていきます。

塩田がピンク色の理由は、甲殻類のアルテミアサリーナが住んでいるから。塩田のエビと呼ばれるアルテミアサリーナ。これを食べるのがフラミンゴですが、フラミンゴのピンク色はこのアルテミアによると言われいます。この薄っすらとしたピンク色が、実はフロールサルの色で、収穫したての頃はわずかにピンク色が残っています。

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前回、塩田を訪問した時は、もう他界してしまった男性二人が、塩田を案内してくれたのですが、今回は現役のジョアオペドロが説明してくれました。彼も塩田へのパッションを持っている男性で、香りがないと言われているフロールデサルに、わずかながら香りがあることも教えてくれました。

収穫は夕刻、結晶を壊さないように風のない日に実施されます。残念ならがこの日は風が強かったのですが、フロールデサルの結晶は風の中収穫すると、池の底に沈んでしまうそうです。とてもデリケートな作業で重労働です。静かに黙々と結晶を、炎天下の中収穫するのです。

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こんな道具を使って結晶をすくっていきます。
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すごいと思ったのは、この塩田の通路。通路にまで塩が敷かれていますが、風が強い時に通路の土が飛ばないようにするためです。また、マルノトが作業している時も、靴底につくのは塩だけにするためだそうです。とにかく、贅沢な塩であることは理解していただけたと思います。

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そして、特に驚いたのがフロールデサルの結晶の形。なんと逆ピラミッド型に浮かぶそうです。パワーフードだと確信しました。
この後、フロールデサルはある程度まで乾燥させ、セミウエットの状態で倉庫に運ばれます。

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こんなプラスチック製の容器に入れ、オーダーがあるまで倉庫で大切に保管されます。オーダー後に、それぞれのサイズの袋や陶器詰めにされていきます。
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このベルトコンベアーの上で、フロールデサルは熟練の作業員の目でダブルチェックされます。大自然の恵みですから、どうしても海藻や小さな生物が中に残っている場合があるのですが、目が慣れないとほぼ見えないレベルのごみです。それを担当の人は、毎日数時間だけ実施します。長時間は目が疲れすぎてしまうので。

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ご覧のように金属探知機も設置されています。

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こんな風に細かい不純物は取り除かれていきますが、最初見せてもらった時は、私には全く何をつまんでいるのか分かりませんでした。そのくらい小さいですし、見難いものでした。

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海水が人間の知恵と努力で、どんな風にフロールデサルになるか、簡単に説明させていただきました。シンプルなものほど奥深いストーリーがあるもので、これからも深めて行きたいと思う分野です。ジョワオペドロの塩田には、教室と呼ばれる試験用の塩田も大きくあり、その中で色々な実験もされていました。これからも益々レベルアップしてくれることでしょう。私も色々な発見があり、これからもっと塩の世界は広めていきたいと思います。写真がマリソルオーナーのアンドレアと、マルノトのジォアオペドロ。どちらも熱心な方々で誇りに思います。

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塩田に囲まれた元ウィンドミルに宿泊しました。朝早くフラミンゴの声で目が覚めたのですが、あのしなやかな動きは、フロールデサルにより魅力を与えてくれているように感じました。塩田はバードウオッチングの舞台でもあります。

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そして、この自然公園として保護されているリア・フォルモサの風景。大西洋のパラダイスだと言っても過言でないと思います。

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多くの人が純粋で天然の塩を消費できるよう、もっと力を入れてお伝えしていきますね。
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# by angel-chiho | 2019-05-14 05:19 | Portugal





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